〔079〕鳳凰山 (観音岳 2,840m)

標高差:1,460m

2004年06月05日(当時55歳)


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薬師岳(2,780m)
山梨県韮崎市清哲町青木
”夜叉神峠”側の登山口駐車場には、沢山の登山者が来ているが、
みんな重装備で日帰り登山者は見かけなかった。
”夜叉神峠”までは軽四なら走れそうな広い道が続く。
遊歩道的にジグを切って斜度を緩く作られているので距離が長い。
予定外の鳳凰山、一体、どの位歩けば山頂に辿り付けるのか、
この時点では予想が付いていない。
50分にて ”夜叉神峠”に着く。
写真の山小屋の他に、キャンプ場もあるらしい。
”夜叉神峠”までは樹林帯の中の展望が利かない林道であったが、
標高1,770mの ”夜叉神峠”で一気に ”白峰三山”の展望が開けた。
左から農鳥岳、間ノ岳、北岳の三千mを越す ”白峰三山”が目の前に広がっていた。
斜度はきつくないが樹林帯の中、真っ直ぐな道が延々と続く。

1時間50分にて ”杖立峠”に着く。 展望は無く何も無かった。
”杖立峠”からは長い下り道となり、下山時の登り返しが心配になる。

”山火事跡”に出ると展望が開け ”富士山”が望める様になった。
”山火事跡”はカミナリで山火事になったらしいが、
山火事の痕跡は既に無くなっていた。
ここの縦走路では赤錆た鉄製のケルンが多い。
このケルンに書かれた文字は読めなかった。
しばらくは河原の様な道が続くが、又樹林帯に入って行く。
富士山”の雪もほとんど無くなっていた。
今年はどこの山も雪が少ないらしい。
3時間で ”苺平”に着く。 ここにも何も無かった。
出発の御夫婦は既に百名山を済まされている大先輩だった。
”苺平”からの長い下りの後、”南御室小屋”に着く。
ふとん干しのオンパレードで今夜の宿泊客は気持ち良く寝れそうだ。
標識には ”ガマの石 ” とだけ書かれていた。 無理やりガマに
見えないこともないが、マッコウクジラの方が近いのでは
砂払岳”への登りに差掛かる。
これを越えると ”薬師岳”が見えるはずである。
展望の良い ”砂払岳”に着く。
ここでも、終始見えていた ”白峰三山”の展望が広がっていた。
”砂払岳”から見た左、観音岳、右、薬師岳。 地蔵岳はまだ見えない。
砂払岳と薬師岳の間にある”薬師岳小屋”。
”薬師岳小屋”から振り返り見た ”砂払岳”と ”富士山”。
”薬師岳小屋”から ”薬師岳”への登りをこなす。 白い砂が眩しい。
”薬師岳”から ”観音岳”までは指呼の距離と言いたい所であるが、
疲れた体には中々、登り応えがありそうだ。
”薬師岳”は砂地の平な個所に山頂標識が立っているが、その後ろに大きな岩峰があり、
”薬師岳”の最高峰は、この岩峰の上であるのは明らかである。
岩峰に登ってみたが、山頂を現わす表示は何も無かった。
体力電池はエンプティになっているが、
”薬師岳”から”観音岳”への登りを頑張る。
5時間25分で ”鳳凰三山”の最高峰である ”観音岳”(2,840m)に着く。
”鳳凰三山”としては、まだ ”地蔵岳”が残っているが、残りの体力では無理と判断し、”観音岳”で引返すことに決めた。 いつになるか判らないが、”地蔵岳”へは”オベリスク”を含めて別途、登り直したいと思う。
”観音岳”から見た ”八ケ岳”。
見る方向が変わると山姿も変わっていた。
左奥に見えるのが ”甲斐駒ケ岳”、右の黒く尖がっているのが地蔵岳の”オベリスク”。
今日はあそこまでを往復する体力も時間も無かったので今日は諦める。
”観音岳”から長い長い尾根道を引返す。
Road Map:中部横断道を白根ICで下りて、県道20号線、アルプス街道を夜叉神峠に向かう。
Route Map
:夜叉神峠から長い長い縦走路を往復する。白峰三山の展望は最高。
こんな山、日帰り出来るのか?
  昨夜からの車にプラス、夜が明けるとドンドン車が増えてくる。 昨日からどうしょうか迷っていたが、行ける所まで行って、最悪、山小屋に泊まる覚悟で登ることにした。 長丁場なのに出発は5時55分と
遅くなってしまった。
南御室小屋〜砂払岳
  小屋からはきつい登りとなり、先ほどの老夫婦を抜かし際に話しをすると、この足の遅いおじいさんはとっくに百名山を済まされているとのこと、しっつれいしました。 砂払岳手前でカモシカが駆け抜けて行くのが見えたが一瞬の出来事であり、写真は撮れなかった。 4時間20分、砂払岳に着くとやっと薬師岳、観音岳が見える様になってきた。 眼下には薬師小屋が見えた。 薬師小屋から薬師岳への登りに足が動かなくなる。 休み休み足を進める。
観音岳で休憩する。
  地図を広げている無愛想なおっちゃんの横に座り、廻りの山名を次々と教えてもらう。
その内、新潟から来た御夫婦も加わり山談義に花を咲かすと、無愛想なおっちゃんも喋りだして
くれた。 静岡から来て南御室にテントを張っているらしい。 色々教えてもらった結果、東側の
目の前の山は北岳と間ノ山、北側正面には甲斐駒ヶ岳、北側遠くには八ケ岳が見えているらしい。
長い長い下山路
  ピストンなので下山路だけが長い訳ではないが、精神的には下山路の方
が数段長く感じてします。 山小屋泊りも考えたが、足の動く内は歩き続け
たい。 夜叉神峠まで下ってきた時に団体さんに道を塞がれたので休憩中の
静岡からの人と又々、山談義で話を膨らませる。
  その人は日帰りで北岳に2回登ったことがあるらしく ”簡単ですよ!
と言ってくれた。 確かにここが日帰り出来たのだからどこでも行ける感じ
がしてきた。 充分、お喋りして下り始めてもさっきの団体さんに直ぐに追
いついたので、クラクションを目一杯鳴らして一気に抜いてしまう。
  下りは3時間45分、全行程9時間45分で鳳凰三山を終える
鳳凰三山の内、残った地蔵岳(2,764m)は青木鉱泉側から是非登ってみたい。
日本百名山』  長い縦走尾根であったが、終始、白峰三山の展望が得られた。
コースタイム:9時間45分(休息時間含む)、
登り:5時間25分、下り:3時間45分
ほうおうさん
深田久弥著の「日本百名山」から
  地蔵仏は高さ十八m、極めて印象的なオベリスクで、甲府盆地からでもよく注意すると認めることができる。 それは、鳳凰山のシンボルのように立っている。 その巨石に初めて攀じ登ったのはウォルター・ウェストンで、明治三十七年(1904年)の夏であった。
鳳凰三山
  広河原への道路封鎖で予定していなかった鳳凰山への登りとなってしまった。
ガイドブックには2泊3日のコースで書かれており、青木鉱泉側からなら日帰り
出来そうであるが、夜叉神峠からは到底無理と思っていた。
試しに登ってみようと出発すると、昨日の絶不調が嘘の様に絶好調の内に始まる。 しかし、絶好調も2時間までで、後はいつもの持久戦となる。
一杯一杯だったとは言え、ここを日帰り出来たことは、もっと多くの山が日帰りの視野に入れることが出来る様になる。 次に目指すは劔岳か北岳か。
2004年度の山行き
   06/04     06/05
  空木岳 → 鳳凰三山
”鳳凰三山”の1つである ”薬師岳”(2,780m)に着く。
2023年12月22日改定